最近はテレビ「なんでも鑑定団」のおかげで、ずいぶん多くの人達が古い物に興味を持つようになりました。同番組では、それこそ古代の発掘品から戦後のブリキ玩具、果ては現代のスター選手のスポーツグッズまで登場してきます。
実は「アンティーク」と呼べるものには国際的な基準があり、1930年の米・通商関税法では「100年以上の古い美術品、工芸品、手工芸品をいう」とはっきり明示されているわけです。このことは、プロでなくともアンティークに興味ある人なら覚えていて欲しいことがらです。というのは海外の蚤の市を紹介したガイドブックなどには、「上手に値切ればかなり安くなる」などと書かれてある本が多いのですが、どうしてもまけてくれない時があります。その理由を聞いてみれば業者はたいてい「Because Antique!」と言うはずです。この答えにたいしてたいていの日本人は、“キョトン”とするのが普通です。それでもカタコトの英語で必死に値切っている人がいますが、この場合にはその人の人間性と見識が問われているというわけです。
「100年以内の物なら、探せばまだ見つけられるけれども、アンティークとなれば、そう簡単に値引きできない」という当然の道理なのです。ロンドン辺りの骨董店などで日本人のこういう光景を見かけますが、発展途上国の「みやげもの店」とは違うということを知って欲しいと思います。特に英国は骨董の流通が激しいお国柄であるため、ほとんどのアンティーク製品の利幅が極端に少ないのが現状です。そのかわり時代の若い物(いわゆるジャンクやラビッシュの類)はどんどん値切って交渉すれば、かなり安くしてくれるので、楽しんで交渉してみては如何でしょうか?
さて、私自身は時代が古くなくてもそれを手にしたときに古い物だけが持つ暖かさや、懐かしさ、優しさが感じられれば、それはもう立派なアンティークと呼んでもいいのではないかと思いますし、日本のアンティークショップはほとんどがこのレベルだと思います。そうでなければ陶磁器を取り上げてみても、マイセン、KPM、セイブル等はアンティークと呼べるけれども、スージークーパー、シェリー、クラリスクリフ、パラゴン等はアンティークと呼べないことになります。しかしこうしたものが今や西洋磁器の主流となっているのです。
生活の中に活かして使える。古き懐かしき物。そうした物は家具だけにこだわらず、何でも探してみたいと、いつも地方のサンデーマーケットでは小さい目を大きくして歩いています。