ロンドンのパブには入ったことがないが、私は田舎のカントリーパブが大好きである。日本では飲み歩く習慣のない私であるが、イギリスの田舎のパブは、日本の酒場とは全然違う存在である。
そもそもパブとは、パブリックハウスの略であって、一般の家庭が、プライベートハウスであるのに対して、パブはみんなで楽しめる共通の家のような存在である。
日本のバーなどは素面(しらふ)では馬鹿馬鹿しくて耐えられないけれども、イギリスのパブはいわゆるコミュニティーセンターのような役割を担っていて、子供連れでやってきて、食事だけする人も結構多いのである。そこでは土曜日ともなれば、近所の人たちが集まってきて、食事や、ビールを飲みながら、生演奏を楽しんだり、雑談や、世間話を交わし、情報を交換するわけである。
またパブの親父さんは、たいていは人懐っこくて、世話好きの人が多く、やってくる人達も人のよさそうな、お爺さんや、犬を連れたお婆さんがいたりして、すこぶる雰囲気」がいい。店の一部がたいていはカウンターになっていて、そこでビールを注文するときは、代金をその場で支払うのが原則である。また部屋の片隅は、暖炉になっているのが普通で、その周りには、真鍮で作られたいろんなオーナメントが飾られている。また壁にはウオールランプが灯りをともしていて、馬具なんかがかけられているのである。
またパブごとに独自の醸造元を持っていて、それぞれ味の違う地ビールをたのしめるのも特徴である。